3種類ある遺言書のメリット・デメリット
遺言書には3種類あり、公正証書遺言・自筆証書遺言・秘密証書遺言となっています。これらの遺言書はそれぞれ作成方法が異なるため、詳しい作成方法とメリット・デメリットについて解説していきます。
自筆証書遺言
自筆証書遺言の特徴として、他の遺言書の作成方法に比べ、紙とペンさえあれば気軽に取り掛かれる点があげられます。全文自筆で記載し、日付と署名を記し、押印すれば完成です。財産を一覧にした目録については2019年1月の法改正で、通帳のコピーやパソコンで作成した書類の添付が認められています。
自筆証書遺言のメリット
- 事前に準備する必要がなく手軽に作成できる
- 他の人に知られずに遺言書を作成できる
- 時間や費用がかからない
自筆証書遺言のデメリット
- 死後、不備が見つかると無効になる
- 紛失、改ざんの可能性があり、遺言実行の確実性が低い
- 遺言書の開封時に家庭裁判所での検認が必要
※2020年7月から「自筆証書遺言の保管制度」が施行されました。法務局で保管申請をすれば、従来の「検認手続き」は不要になります。
公正証書遺言
公正証書遺言とは公証人役場に出向き、2人以上の証人立会いのもと、遺言書を作成する方法です。自筆証書遺言よりも手間や費用はかかりますが、提出の際に書式や内容を確認されるため、民法上で遺言書自体が無効になることがなく、最も確実にご自身の希望を伝えられる方法といえます。また、遺言の原本は公証役場に保管されるため、紛失や改ざんのリスクもありません。
公正証書遺言のメリット
- 確実に遺言を残すことが出来る
- 紛失や改ざんの心配がない
- 遺族は遺産分割協議を行う必要がない
公正証書遺言のデメリット
- 内容を変更したい場合に手間がかかる
- 費用と時間がかかる
- 証人を2名ご自身で用意する必要がある
- 公証人と証人2名に遺言の内容を確認される※証人には守秘義務があります。
秘密証書遺言とは
秘密証書遺言は、自筆証書遺言と公正証書遺言の双方の特徴を持ち合わせています。公証役場で作成しますが、遺言内容は証人も確認しないため、その内容によっては希望通りに遺言が実行されない可能性もあります。書式や記載内容に不備がないか細心の注意をする必要があり、遺言書の種類としては存在していますが、遺言書作成に慣れていない方がほとんどの中、実際にはあまり利用されていないのが実情です。
秘密証書遺言のメリット
- 改ざんや紛失の心配がない
- 他の人に遺言書の内容を知られない
秘密証書遺言のデメリット
- 費用がかかる
- 遺言の内容次第でトラブルの発生や遺言自体が無効になる可能性がある
- 自筆証書遺言と同じく遺言の開封時に家庭裁判所での検認が必要となる
遺言書の作成の関連項目
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